腎移植の流れ
レシピエント(腎臓の提供を受ける方)
献腎移植の適応
献腎移植を受けるレシピエントの条件
腎臓移植は合併症による症状を改善し、生活の質(QOL)を改善することを目的としています。
医学的な適応は次のような患者さんにあると考えています。
- 日本臓器移植ネットワークに登録していること
- 現在活動している感染症がないこと
- 癌などの悪性腫瘍がないこと。または治癒し一定期間経過していること
- 肥満がないこと(BMI:27kg/m2以下であることが望ましい)
- 心疾患・糖尿尿・高血圧・肝疾患などがある場合は、検討が必要
動脈硬化などの血管の症状が進行し、高度の心臓病(虚血性心疾患)がある場合では移植手術自体がうまく成功しないことが予想され、また癌などの悪性の病気で手術による根治不可能な場合、現在活動している感染症がある場合には、さらに病態の悪化が予想されるため、移植手術が受けられません。年齢については医師にご相談ください。献腎移植では、待機期間が長いため定期的に適応の有無について、検査が必要です。
腎移植前の評価検査
腎移植について、十分理解して納得したら、移植が可能かどうかの評価検査を行います。
検査の内容は、腎臓機能の評価と組織適合検査、一般的な全身状態の評価(悪性腫瘍や感染症などがないかどうかも含む)があります。既往や今までの病気の経過によっては、追加検査も行い移植手術に耐えられる体であるかを評価検査します。
組織適合検査
- HLAタイピング検査・保存血清採血
(指定された日の朝8時30分に泌尿器科外来に来院し、採血を行う。患者と生体ドナー候補者全員は同日に来院する必要あり。)
全身状態の評価
- 血液検査(腎機能、肝機能、膵臓機能などの一般的な血液検査、腫瘍マーカー、HIVを含む感染症の検査など)
- 便検査(便の潜血反応)
- 胸部レントゲン
- 心電図
- 腹部単純CTまたは腹部エコー(腎臓の大きさ、腎臓内嚢胞や癌などの異常がないかなど)
- 心エコー(必要時、循環器内科受診)
- 上部消化管内視鏡
- 下部消化管内視鏡(年齢や既往歴、便の潜血反応の結果による)
上記の検査を透析施設で行ってもらいます。この他、病歴や検査結果によってはさらに他の受診や検査を必要とすることもあります。また、歯科については定期的に受診し、感染や出血などのないようにしておく必要があります。
評価検査・移植手術までのながれ
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外来受診・移植説明
(パンフレット・同意書・DVDを持ち帰り検討してもらう)
初回説明時、ご家族が同席していない場合は再度外来にて説明
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(移植の意思を確認後)一般血液検査・胸部レントゲン・心電図
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腹部単純CTまたは腹部エコー・便検査・心エコー・上部消化管内視鏡検査・その他、必要時追加検査
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HLAタイピング・クロスマッチ検査の申し込み
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外来受診・HLAタイピング検査・保存血清採血
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日本臓器移植ネットワークへ登録
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年1回の登録更新
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待機期間に病状や登録内容の変更があれば、必ず連絡する
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移植の連絡
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入院
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呼吸機能検査・麻酔科受診・腹部単純CT
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腎移植手術